監督 石川寛について

 石川 寛は非常に独特の空気感をもったフィルムを作ることで有名なCM監督です。現在は映画作品なども数多く出しており、一部にカルト的なファンを生み出しております。映画『好きだ、』に関しては2005年ニュー・モントリオール国際映画祭最優秀監督賞を入賞しております。

作品

CM

  • 資生堂・マシェリ
  • サントリー・ビタミンウォーター
  • トヨタ・GOAください
  • 旭硝子・硝子の物語

映画作品

  • tokyo.sora 《2002年》監督
  • 好きだ、《2006年》監督
  • 堀北真希×黒木メイサ short film きみのゆびさき 《2006年》監督
  • ペタル ダンス《2012年》監督《2013年4月公開》

tokyo.sora

  2002年製作ということだが、2010年代に入った日本映画界でこのような作品を創ることができる環境はあるんだろうか。狙ってそうしたのかもしれないが、逆効果と言わざるを得ないです。 都内のコインランドリー、夜更けの電車、路地裏の猫。 切り口は実に良いが、それを演出するセンスがいまいちなのが残念な作品。

良い部分といまいちな部分が共存する作品だが、どちらかと言えば好きな部類の日本映画。 派手な演出とスピード感ばかりを重視したメジャーな日本映画が氾濫する中で、本作のような作品はとても貴重。 出演者も粒揃いだが、個人的には好きな役者は出ておらず、そこは残念。

東京で生活する女性たちの孤独を、リアルに描いており秀逸。興行収入とストーリー題性がますます重視される現在の映画界で、このような作品が世に出るのは難しいかもしれないが、それだけにこういう作品に出会うと、嬉しい気持ちになります。全て何気ない描写だが、都内で孤独を感じたことがある人なら分かるであろう、極めてリアリティのある繊細な描写は見事。

特にラストに流れる音楽のみずみずしさ。ただし音楽は素晴らしい。 それと粒の粗い画像と聞き取りにくい音声は考え物。

あらすじ

 東京の空の下で悩みや不安を抱えながら日常を生きる6人の女性の姿を描く。シナリオを用意しないで構成だけを決めて、台詞などの細部は撮影時に作り込むという手法で制作されましました。

キャスト

  • ヨーコ「葉っぱの葉のヨーコ」: 板谷由夏
  • ユキ「空から降る雪のユキ」: 井川遥
  • 美大のコ: 仲村綾乃
  • 茶店のコ: 高木郁乃
  • 台湾のコ:孫正華
  • メガネのコ: 本上まなみ
  • 喫茶店のマスター: 長塚圭史
  • 美大生の彼氏: 石川伸一郎
  • 台湾のコが好きになる日本人: 坂本サトル
  • ランパブに来るサラリーマン: 遠藤章造
  • 美大生を面接するファミレスの店長: 香川照之
  • 編集者の道原: 西島秀俊

スタッフ

  • 監督・編集: 石川寛
  • 撮影: 阿藤正一、小野寺幸浩
  • 美術: 舟橋葉子
  • 音楽: 菅野よう子
  • 音楽制作: グランドファンク
  • プロデューサー: 永松彰、岸野一雄、石川寛、程田健司
  • 制作プロダクション: ドマーニ、グアダループ

好きだ、

 考えてみれば人の心の動きは、自分では気付いていないだけで誰でも行ったり来たりの繰り返しをしている訳で、この作品の極端にゆったりとした流れは至極当然のものとも思えます。もどかしすぎるような登場人物の行動も、誰しもが経験したことのある葛藤を客観視すればこうなってしまうのではと。

忘れかけていたもの、何か心にひっかかっていたものを思い出させてくれるような作品。少し違和感があるとすれば、17年後の東京でも二人の間に同じ時間の流れが続いていること。

二人を取り巻く世界にも同じ時間が流れて見えること。郷里の空を流れる雲や川のせせらぎも、そんな心の動きとシンクロしているように感じられ、かつては都会にもそんな時間の流れがあったような気がします。

登場人物の主観に基づいた構成だから、これはこれでいいのかな? それと、すごく心地よい時間を過ごせる作品ですけれど、盛り込まれている二つの事件は、もう少し形を変えた方がいいんじゃないかな?アクセントとしては強すぎる気がしないでもないです。

あらすじ

17歳のユウとヨースケ。お互いが相手に対して好意を持っているにもかかわらず、「好きだ、」の一言を言えない二人。二人の感情は、近づき、もつれ、すれちがい、また惹かれる。ある哀しい出来事に行き着き、断ち切れてしまう。それから17年。34歳のヨースケとユウは東京で偶然に再会します。

キャスト

  • 宮崎あおい - ユウ《17歳》
  • 西島秀俊 - ヨースケ《34歳》
  • 永作博美 - ユウ《34歳》
  • 瑛太 - ヨースケ《17歳》
  • 小山田サユリ - ユウの姉
  • 野波麻帆 - 酔って道に倒れていた女・虎美
  • 加瀬亮 - 通りすがりの若い男
  • 大森南朋 - 学校の先生